電動キックボードは公道走行するときに、保険が気になる人もいるでしょう。
「電動キックボードの保険加入は義務なの?」
「どんな保険に加入すればいいの?」
と疑問を持っているかもしれません。
結論からいうと、電動キックボードで公道走行するなら自賠責保険への加入が必須です。
自賠責保険は対人事故の補償のみになるため、補償範囲が気になる人は任意保険の加入もおすすめです。
電動キックボードの任意保険は、バイク用の保険に新規加入するか、すでに自動車保険に加入している人はファミリーバイク特約の利用という2つの方法があります。
この記事では、電動キックボードの保険・ファミリーバイク特約についてくわしく紹介します。
電動キックボードの保険について
電動キックボードの保険は、自賠責保険・任意保険の2種類あります。
自賠責保険(必須)
自賠責保険とは、対人事故を補償するもので、加入が義務付けられています。
もし自賠責保険に未加入で公道走行すると、交通違反になります。
自賠責保険は、相手の怪我に対しての補償しかできません。
物を壊してしまったり(物損)、自分の怪我(自損)などに対しての補償は範囲外です。
自賠責保険は補償内容・金額を国が定めているため、どの保険会社で手続きしても、内容の違いはありません。
任意保険
任意保険は、自賠責保険と違って各自が任意で加入する保険です。
自賠責保険は対人賠償しかできませんが、任意保険では対物・自損など幅広い範囲をカバーできます。
保険料はプラスでかかりますが、補償範囲が広がるため、安心して運転できます。
損害保険料率算出機構の調査では、2021年時点で自動車の任意保険加入率は80%と結果が出ています。
自動車であれば、ほとんどの人が任意保険に加入している状態です。
「電動キックボードは任意保険に加入した方がいいの?」と思うかもしれませんが、自賠責保険だけで不安な人は、任意保険の加入がおすすめです。
任意保険の加入方法は大きく2つ
電動キックボードで任意保険に加入する方法は、下記の2種類あります。
- 新規でバイク保険に加入
- ファミリーバイク特約で加入
1つ目は、電動キックボードは原付バイクと同じ扱いになるため、バイク用の保険に新規加入する方法です。
保険会社によって、電動キックボード用の保険を作っている場合もあります。
2つ目はファミリーバイク特約といって、自動車の任意保険にオプションとして追加できるバイク用保険を利用する方法。
ファミリーバイク特約は、新規の任意保険加入に比べて、保険料が抑えられます。
自動車を持っており任意保険に入っている人ならファミリーバイク特約、自動車保険に入ってない人は新規のバイク保険加入がおすすめです。
ファミリーバイク特約について
自動車を持っており、任意保険に加入しているなら、ファミリーバイク特約が利用できます。
ファミリーバイク特約とは、原付バイクを対象とした保険で、電動キックボードも対象になります。
新規で任意保険に加入する必要がなく、自動車の任意保険にオプションとして追加するだけです。
自損事故・人身傷害
ファミリーバイク特約には、自損事故・人身傷害タイプの2種類あります。
自損事故タイプ | 人身傷害タイプ | |
対人賠償 | 他人の怪我を補償 | 他人の怪我を補償 |
対物賠償 | 他人の財産を補償 | 他人の財産を補償 |
自損事故 | 自分の怪我は、単独事故のみ補償 | 自分の怪我を補償 |
相手のある事故 | 自分の怪我は補償されない | 自分の怪我を補償 |
保険料 | 5,000〜10,000円 | 15,000〜30,000円 |
どちらのタイプでも共通して、相手の怪我・財産を補償できます。
自損事故・自分の怪我に関しては、タイプで補償内容が異なります。
まず自損事故タイプの場合は、自損事故のみ補償で、相手のある事故では自分の怪我を補償できません。
次に人身傷害タイプの場合は、自損事故・相手のある事故どちらもで、自分の怪我を補償できます。
人身傷害タイプは補償範囲が広くなりますが、その分保険料も高くなります。
またファミリー特約の保険料は、自動車保険の契約条件によっても異なります。
自動車保険の補償内容が手厚い場合は、ファミリーバイク特約の保険料も高くなります。
ファミリーバイク特約の保険料に関しては、契約している保険会社に問い合わせてみましょう。
加入できる電動キックボード・対象者について
ファミリーバイク特約は、125cc以下の原付バイクが対象になります。
そのため電動キックボードなら、定格出力が1,000W以下が対象です。
もし定格出力が1,000W以上あると、中型扱いになるためファミリーバイク特約の対象外になります。
ファミリーバイク特約の対象者は、家族であれば基本的にOKです。
配偶者・同居の親族・別居している未婚の子供など幅広くなっています。
原付免許を持っている高校生の子供でも対象になります。
ファミリーバイク特約のメリット
ファミリーバイク特約のメリットは下記の通りです。
- バイク保険よりも安い
- 年齢制限なし
- 等級に影響なし
保険料が安い
ファミリーバイク特約のメリットは、新規の任意保険に加入するよりも、保険料を抑えられることです。
例えばチューリッヒ保険社のバイク保険では、125ccのバイクで年間保険料が16,720円です。
ファミリーバイク特約の自損事故タイプなら、年間5,000〜10,000円の保険料で抑えられます。
上記の例だと、年間で最大11,720円も費用を抑えられるため、大きな節約になります。
「なるべく保険料を抑えたい」という人は、ファミリーバイク特約がおすすめです。
年齢制限なし
ファミリーバイク特約は、年齢制限がありません。
本契約の自動車保険に年齢制限があっても、ファミリーバイク特約では全年齢が対象です。
そのためお子さんや、同居している年配の祖父母がいる場合も、加入できます。
等級に関係なし
保険では、等級によって保険料が決まります。
事故を起こして保険を利用すると、等級が高くなり、その分保険料も上がります。
ファミリーバイク特約では、もし事故を起こしたとしても、等級に影響はありません。
ファミリーバイク特約の注意点
ファミリーバイク特約は、単体での加入ができません。
すでに自動車の任意保険に加入している場合のみ、オプションとして利用できます。
そのため「そもそも自動車を持ってない」という人は、新規で電動キックボードの任意保険に加入しなければいけません。
まとめ
電動キックボードで公道走行するなら、自賠責保険に加入しなければいけません。
自賠責保険は対人事故のみ補償するので、補償範囲が気になるなら任意保険への加入もおすすめです。
電動キックボードは原付バイクと同じ扱いになるため、原付バイクが対象の任意保険を選びましょう。
電動キックボード用の任意保険に加入するには、下記の2種類あります。
- 新規で原付バイク用の任意保険に加入
- ファミリーバイク特約を利用
ファミリーバイク特約は、自動車の任意保険にオプションで利用できるものです。
すでに自動車を持っており任意保険に加入しているなら、ファミリーバイク特約の利用がおすすめです。
ファミリーバイク特約の詳細については、契約している保険会社に問い合わせましょう。