ガソリンバイクより静かで燃費のよい電動キックボード。
燃費が良く1回のフル充電で約40㎞走行できるため、少し遠くまで出かけられます。
しかし遠くに行く際、高速道路は走れません。
道路交通法では、電動キックボードは高速道路の走行が認められていません。
この記事では、電動キックボードの交通ルールについて紹介しています。
電動キックボードで高速道路は走行できない
電動キックボードは高速道路を走れません。
なぜなら、電動キックボードは原付バイクに該当することが多く、高速道路は原付二種以下は走行できないからです。
免許の区分は、定格出力によって分けられているので、参考までにご確認ください。
種類 | 電動(定格出力) | ガソリン(排気量) |
原動機付自転車免許(原付一種) | 0.6kW以下 | ~50cc |
小型限定普通二輪免許(原付二種) | 1.0kW以下 | ~125cc |
普通二輪免許(中型免許) | 20kW以下 | ~400cc |
大型二輪免許 | 20kW超 | 400cc超 |
高速道路は125CC以下のバイク・人・自転車は走行不可と定められており、誤侵入した場合道路法違反となります。
ニュースによると2022年の高速道路への誤進入件数は、全体で3,600件あまりでそのうち、125cc以下のバイクの進入は2,901件と半分以上を占めているそうです。
多くはナビアプリの誤案内による進入が理由ですが、非常に危険なので正しい知識を付け、絶対に入らないようにしましょう。
違反・罰則金について
電動キックボードで高速道路に進入してしまうと、道路法の通行禁止違反となり違反点数2点、反則金6,000円が科されます。
高速道路を走行するなら
電動キックボードで高速道路は走行できませんが、定格出力1.0kW以上の電動バイクであれば走行可能です。
定格出力1.0kW以上の電動バイクに乗るためには、中型バイクの免許が合わせて必要です。
中型バイクの免許を保有せず中型バイクに乗った場合、免許外運転として無免許運転と同様の罰則があります。
必ず免許を取得して乗るようにしてください。
電動キックボードの交通ルールについて
電動キックボードもバイク扱いのため、交通ルールを守らなければなりません。
- 二段階右折
- 歩道走行禁止
- ヘルメット着用
- 飲酒運転禁止
ここからは、電動キックボードの交通ルールを紹介します。
二段階右折
電動キックボードは原付バイクに該当するため、二段階右折をしなければなりません。
ただ交差点により「二段階右折禁止」などの標識がある場合は、小回り右折も可能です。
歩道走行禁止
電動キックボードは車道走行のみで、歩道は走行はできません。
仮に歩道を走行する場合は、電源を切り車体を押しながら進みましょう。
ヘルメット着用
乗車時にはヘルメットの着用が必須です。
一部のシェアサービスは例外的にヘルメット着用は不要ですが、原則ヘルメットは着用すると覚えておきましょう。
飲酒運転禁止
飲酒運転も禁止です。
法律上禁止されていますが、そもそも非常に危険です。
飲酒をするなら絶対に電動キックボードに乗ってはいけません。
電動キックボードで公道走行するには?
電動キックボードであれば、誰でも無条件に乗れる訳ではありません。
公道を走行するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 保安基準
- 自賠責・ナンバープレート
- 運転免許証・ヘルメット
ここでは、公道を電動キックボードで走るために必要な条件を説明します。
保安基準
公道を走行するには、以下の保安基準をクリアした電動キックボードが必要です。
- ミラー(後写鏡)
- ウインカー(方向指示器)
- クラクション(警音器)
- 機械式ブレーキ(制動装置)
- ブレーキランプ(制動灯)
- スピードメーター(速度計)
- テールランプ(尾灯)
- ナンバー灯(番号灯) ※最高速度19km/h以下は不要
- リフレクター(後部反射器)
- フロントライト(前照灯)※要自動点灯
これらの装置が1つでも欠けると、保安基準をクリアせず公道は走行できません。
また、保安基準に必要な装置の多くが後付けできません。
そのため、公道を走行する前提で購入するなら、保安基準を満たす電動キックボードを選びましょう。
自賠責保険加入・ナンバープレート
電動キックボードは原付扱いとなるため自賠責保険・ナンバープレートが必要です。
自賠責保険は、公道を走る原付バイクを含む全ての自動車に加入義務があり、必ず入らなければなりません。
自賠責保険は、販売店で加入できることもありますが、郵便局・コンビニでも簡単に手続きできます。
また運転時にはナンバープレートも装着しなければなりません。
電動キックボードのような原付扱いの乗り物は、各地域の役所で取得できます。
役所で発行するには以下の書類が必要です。
- 販売証明書
- 印鑑
- 本人確認書類(免許証などの身分証)
ヘルメット・運転免許証
2023年4月現在は、運転免許証とヘルメットの着用が必須です。
運転免許証は、原付バイクを運転できる「原動機付自転車免許」または自動車を運転できる「普通自動車第一種免許」以上の免許が必要です。
また電動キックボードの走行時はヘルメットを着用する必要があります。
街中でヘルメットを着用せずに走行するシーンを見かけることがありますが、あくまで例外であり通常は着用が義務となっています。
2023年7月に電動キックボードのルールが変わる
道路交通法の改正により、電動キックボードのルールが変わります。
電動キックボード(現在のルール) | 特定小型原付(改正後) | |
免許 | 必須 | 不要 |
ヘルメット | 必須 | 任意(努力義務) |
自賠責保険 | 必須 | 必須 |
ナンバープレート | 必須 | 必須 |
速度制限 | 時速30km | 時速20km |
走行場所 | 車道のみ | 車道・自転車レーン・路側帯 |
年齢制限 | 免許に準ずる | 16歳以上 |
法律の改正前は、運転免許証やヘルメットが必須となっていましたが、2023年7月1日から運転免許証は不要、ヘルメットは任意(努力義務)に変更されます。
自賠責保険の加入やナンバープレートの着用は引き続き必須のままです。
時速制限によっては歩道走行も可能
もともと電動キックボードは、原付バイクと同様に扱われていたため歩道は走行できませんでした。
今回の法改正により以下の条件を満たせば、歩道走行も可能になります。
基準 | 時速制限 | 走行場所 | 識別灯火 |
特定小型原動機付自転車(歩道通行車モード) | 6km | 歩道(自転車走行可能)・路側帯 | 緑色点滅 |
特定小型原動機付自転車 | 20km | 車道・自転車レーン・路側帯 | 緑色点灯 |
原動機付き自転車(原付バイク) | 30km | 車道のみ |
歩行者の安全のため時速制限は6km、識別灯火の切り替えで緑色点滅をしたままであれば歩道を走行できます。
歩道走行の際は手動で速度を調整するのでは無く、電動キックボードに最高速度を切り替える装置を用いますので、法律を破ることなく安心して乗ることができます。