シェアサービスも普及してきた電動キックボード。
街で見かけることも増えたかもしれませんが「電動キックボードの正しいルールを知らない」という人もいるでしょう。
道路交通法では、電動キックボードは原付バイクと同じ扱いになり、悪質な交通違反は逮捕される可能性もあります。
この記事では電動キックボードの取り締まり・違反の多いルールについて紹介します。
電動キックボードの交通ルールについて知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
電動キックボードの交通違反は取り締まりの対象
道路交通法では、電動キックボードは原付バイクと同じ扱いです。
原付バイクを運転するには運転免許証・ヘルメットが必要ですが、電動キックボードに乗るときも運転免許証・ヘルメットを着用しなければいけません。
電動キックボードのルールを守らずに、交通違反として指導・検挙される事例もあります。
警視庁の発表によると、2021年9月〜2022年3月に電動キックボードの交通違反は合計719件ありました。
交通ルールの指導警告件数は454件で、反則金・点数などの検挙件数は265件です。
電動キックボードの運転中に悪質な交通違反をして、逮捕されたケースもあります。
電動キックボードを公道走行するなら、交通ルールを正しく理解して、違反のないように気をつけましょう。
よくある電動キックボードの交通違反について
「交通違反にならないように気をつけたいけど、そもそもなにが交通違反になるの?」
「知らず知らずに交通違反にならないようにしたい」
と思うかもしれません。
ここからは、よくある電動キックボードの交通違反について紹介します。
歩道走行
電動キックボード、車道しか走行できません。
「速度を落として、周りに人がいなければ歩道も走行できる」と思うかもしれませんが、歩道走行は禁止です。
警視庁の発表でも、一番多い交通違反が歩道走行になっており、勘違いしている人が多いルールです。
もし歩道を走行するなら、電動キックボードの電源を切って、車体を押して進みましょう。
整備不良・保安基準を満たしてない
電動キックボードで公道走行するには、保安基準を満たさなければいけません。
保安基準とは安全に走行するために、整備ができているかの基準です。
具体的には、下記が保安基準になります。
- ミラー(後写鏡)
- ウインカー(方向指示器)
- クラクション(警音器)
- 機械式ブレーキ(制動装置)
- ブレーキランプ(制動灯)
- スピードメーター(速度計)
- テールランプ(尾灯)
- ナンバー灯(番号灯) ※最高速度19km/h以下は不要
- リフレクター(後部反射器)
- フロントライト(前照灯)※要自動点灯
自動車・バイクの車検のようなもので、必要な装置がついていないと、整備不良として交通違反になります。
電動キックボードで公道走行するなら、必要な部品がついており、整備不良になっていないかチェックしておきましょう。
「保安基準を満たしていて公道走行も可能」といって販売されている電動キックボードでも、実際には整備不良で公道走行できなくなった事例もあります。
保安基準を満たしているかどうかは、運転する人の責任になるので気をつけてください。
確実に行動走行できる電動キックボードを購入するなら、専門店で販売実績のあるモデルを選ぶのがおすすめです。
無免許運転
2022年現在、電動キックボードで公道走行するなら、運転免許証が必要です。
電動キックボードは原付バイクと同じ扱いになるため、原動機付自転車免許・普通自動車免許などを持っていなければいけません。
しかし「電動キックボード=免許が必要ない」と思って、無免許で運転してしまう人もいます。
また運転中の免許を持っていないと、免許不携帯として交通違反になるので、忘れずに携帯しておきましょう。
ヘルメット
2022年現在、電動キックボードを運転するには、ヘルメットを着用しなければいけません。
「電動キックボードはヘルメットが不要」と思っている人もいるでしょう。
一部の電動キックボードシェアサービスでは、ヘルメットなしで運転できます。
ただしヘルメットなしで運転できるのは例外的なものです。
基本的には、電動キックボードを運転するには、ヘルメットの着用が必須なので覚えておきましょう。
飲酒運転
お酒を飲んだ状態で、電動キックボードを運転するのは禁止されています。
電動キックボードは法整備が進んでいる途中であり、ルールを細かく把握していない人もいると思います。
「電動キックボードなら飲酒運転してもバレないだろう」と思っているのかもしれません。
しかし電動キックボードの飲酒運転は取り締まりが強化されており、東京・大阪では繁華街を中心に警察が取り締まりを行っています。
電動キックボードで飲酒運転をするとかなり危険なので、絶対に飲酒運転をしないようにしましょう。
自賠責保険の加入・ナンバープレート装着
電動キックボードで公道走行するには、自賠責保険の加入・ナンバープレートの装着が必須です。
自賠責保険とは、対人事故を補償するもので、加入が義務付けられています。
電動キックボードだけではなく、自動車・バイクでも加入しなければいけません。
手続きが面倒に思うかもしれませんが、コンビニで保険料を払えば、すぐに加入できます。
また電動キックボードに乗る前に、ナンバープレートを取り付けなければいけません。
ナンバープレートは近くの役所で手続きすれば、30分ぐらいで発行してくれます。
自賠責保険・ナンバープレートなしで運転すると交通違反になるので、気をつけましょう。
電動キックボードのルールは2024年に変わる予定
電動キックボードのルールは、2024年に大きく変わる予定です。
2022年4月に道路交通法の改正案が可決されました。
道路交通法の改正によって、電動キックボードは特定小型原付という新しい区分に分類されます。
改正前は原付バイクと同じ扱いでしたが、特定小型原付に分類されることで、下記のような変更点があります。
電動キックボード(現在のルール) | 特定小型原付(改正後) | |
免許 | 必須 | 不要 |
ヘルメット | 必須 | 任意(努力義務) |
自賠責保険 | 必須 | 必須 |
ナンバープレート | 必須 | 必須 |
速度制限 | 時速30km | 時速20km |
走行場所 | 車道のみ | 車道・自転車レーン・路側帯 |
年齢制限 | 免許に準ずる | 16歳以上 |
一番大きな変化は、16歳以上であれば運転免許証・ヘルメットなしで運転できることです。
ただし改正後も、自賠責保険の加入・ナンバープレートの装着は必須です。
時速制限で走行できる場所も変わる
改正後の電動キックボードは、時速制限によって走行できる場所が変わります。
基準 | 時速制限 | 走行場所 | 識別灯火 |
特定小型原動機付自転車(歩道通行車モード) | 6km | 歩道(自転車走行可能)・路側帯 | 緑色点滅 |
特定小型原動機付自転車 | 20km | 車道・自転車レーン・路側帯 | 緑色点灯 |
原動機付き自転車(原付バイク) | 30km | 車道のみ |
識別灯とは、電動キックボードの車体についたランプで、点灯・点滅させることで走行モードを周りに知らせます。
時速制限・識別灯の灯火を切り替えることで、車道のみではなく、歩道も走行できるようになります。